第 11 卦 · 地天泰

泰 · Tài

通泰交流繁栄備え
1
2
3
4
5
6

彖辞

小往き大来たる。吉にして亨る。——小さなものが去り、大きなものが訪れます。天の気が下り、地の気が昇って交わる形で、意思が通じ、物事がなめらかに運びます。今は素直に流れに乗ってよい時です。

象辞

天地交わるは泰なり。后以て天地の道を財成し、天地の宜を輔相して、以て民を左右す。——天地が交わる形が泰です。上に立つ者はこれに学び、自然の道を整え、人々の暮らしを支え導きます。

解説

泰は、上下が通じ合って万事がなめらかに運ぶ卦です。話が通り、人が集まり、懸案が動き出します。この時期の最大の要点は、うまくいっている理由を理解しておくことです。今の好調は、あなたと周囲のあいだで知らせと気持ちが行き来しているから生まれています。ですから、報告を減らしたり、相手の話を聞き流したりした瞬間から、泰は静かに崩れ始めます。次に大切なのは、良い時に仕込みをしておくことです。人を育て、仕組みを整え、蓄えを作る。順調な今は、それらを最も安く手に入れられる時期です。三つ目に、油断への戒めがあります。泰の次には否が控えており、平らな道はいつか傾きます。だからこそ、感謝を言葉にし、驕らず、遠くの人にも目を配ってください。

恋愛

気持ちが通じ合い、関係が温かく進む時です。話し合いがそのまま前進につながります。うまくいっている今こそ、感謝と約束を言葉にしておいてください。

仕事

連携が良く、案件が動きます。決裁も人の縁も通りやすい時期です。この好調のうちに人材を育て、仕組みと蓄えを整えてください。慢心と情報共有の停止が唯一の危険です。

アドバイス

順調な今のうちに、次の困難に備える仕込みをしてください。

爻辞

第 1 爻

初九、茅を抜くに茹たり、其の彙を以てす。征けば吉。——茅を抜くと根が連なって出てきます。一人が動けば仲間もついてくる形です。今は誘い合って進むと吉になります。

第 2 爻

九二、荒を包ね、河を馮るを用う。遐きを遺れず、朋亡う。中行に尚うことを得。——荒れたものまで包み込み、大胆に川を渡ります。遠い人を忘れず、身内びいきを捨てれば、中庸の道にかないます。

第 3 爻

九三、平らかにして陂かざるなく、往きて復らざるなし。艱んで貞なれば咎なし。其の孚を恤うる勿かれ、食に於て福有り。——平らな道も必ず傾きます。順境の中で用心を保てば、日々の暮らしに福が続きます。

第 4 爻

六四、翩翩として富まず、其の隣と以にす。戒めずして孚とす。——身軽に舞い降り、豊かさを誇らず隣と分かち合います。警戒せずに信じ合える関係が、この位置の強みです。

第 5 爻

六五、帝乙妹を帰がす。以て祉あり、元吉。——高い位の者が謙って縁を結びます。立場を誇らず身を低くして手を組めば、大いなる幸いが訪れます。

第 6 爻

上六、城隍に復る。師を用うる勿かれ。邑より命を告ぐ。貞なれども吝。——城壁が崩れて堀に戻ります。好調の終わりです。力ずくで支えようとせず、身近な範囲を静かに守ってください。