第 3 卦 · 水雷屯
屯 · Zhūn
彖辞
屯は元いに亨る、貞しきに利ろし。往く攸あるを用うる勿かれ、侯を建つるに利ろし。——大きく通じる力はありますが、正しさを守ってこそです。今すぐ遠くへ進むのは控え、まず助けとなる人を立て、足場を作りなさいという教えです。
象辞
雲雷は屯なり、君子以て経綸す。——雲と雷が満ちて、まだ雨にならない形が屯です。君子はこれを見て、乱れた糸を解きほぐすように、根気よく筋道を立てていきます。
解説
屯は物事が生まれ出ようとして、まだ形になりきらない時の卦です。芽が土を押し上げる瞬間に似ていて、力はあるのに動きが重く、思うように進みません。この停滞はあなたの能力不足ではなく、始まりに必ず伴う抵抗です。ここで焦って遠くへ手を伸ばすと、力が散って空回りします。今すべきなのは範囲を狭めることです。まず一つの拠点を決め、信頼できる仲間を確保し、手順と役割をはっきりさせてください。人に頼ることを恥じないでください。屯の卦は、助け手を立てることこそ正解だと明言しています。混乱の中では、正しい方向へ少し進むだけでも大きな成果です。時間がかかることを前提に組み立て直せば、やがて雲は雨に変わります。
恋愛
始まりのぎこちなさ、行き違い、進みそうで進まないもどかしさが出やすい時です。急いで結論を求めず、誤解は早めにほどいてください。時間をかけた関係ほど、後で強くなります。
仕事
立ち上げ期の苦労が集中します。人手も情報も足りない中で、範囲を絞り、支援者を確保することが最優先です。拡大より基盤づくり、勢いより手順に力を注いでください。ひとりで抱えないことが要点です。
アドバイス
遠くへ進む前に、足場と味方を先に固めてください。
爻辞
初九、磐桓たり。貞に居るに利ろし、侯を建つるに利ろし。——進みかねて足踏みしています。焦って動くより、その場に正しく留まり、助けとなる人を据えるのが得策です。踏みとどまることも決断のうちです。
六二、屯如たり邅如たり、馬に乗りて班如たり。寇するに匪ず婚媾せんとす。——進めずに引き返します。近づいてくる相手は敵ではありませんが、今は応じる時ではありません。正しさを守って待ってください。
六三、鹿を逐うに虞なし、惟だ林中に入る。君子は幾を見て舎つるに如かず。往けば吝なり。——案内人なしに獲物を追えば森で迷います。情報も導き手もないまま深入りせず、早めに引き返す判断を選んでください。
六四、馬に乗りて班如たり。婚媾を求む。往けば吉にして利ろしからざるなし。——迷った末に、こちらから手を差し伸べます。求めることは負けではありません。素直に協力を申し出れば道が開きます。
九五、其の膏を屯む。小事に貞なれば吉、大事に貞なれば凶。——恵みを抱え込んだまま流せずにいます。地位はあっても影響が届いていません。小さく確実に配ることから始め、大改革は今は避けてください。
上六、馬に乗りて班如たり。血を泣くこと漣如たり。——進むことも退くこともできず、涙が流れます。行き詰まりを一人で耐え続けないでください。声を上げ、助けを求めることがこの位置の唯一の出口です。