第 53 卦 · 風山漸
漸 · Jiàn
彖辞
漸は女の帰ぐに吉なり、貞しきに利ろし。——鴻が段を追って高みへ渡るように、順を踏んで進む時です。嫁ぐ礼のように、形をきちんと整えてこそ吉となります。正しさを守り、途中の段を飛び越さないことに利があります。
象辞
象に曰く、山上に木有るは漸なり。君子以て賢徳に居り俗を善くす。——山の上の木が少しずつ育つ姿です。君子はこれにならい、賢く徳のある居ずまいを保ち続け、その積み重ねによって周囲の風習まで良くしていきます。
解説
前進は可能ですが、正しい順序と正しい速さでのみ許されます。この卦は鴻を六つの段に沿って追います。教えはすべてその整った上昇の中にあります。あなたが築いているものが何であれ、関係でも、経歴でも、技能の体系でも、飛ばしたくなる中間の段が必要です。ここでは形式も意味を持ちます。嫁ぐという比喩は、気軽な取り決めではなく、約束と公の承認をもって事を進めよという含みです。中ほどの段が遅く、時に実りなく感じられることは覚悟してください。辞は、目に見える成果のないまま年が過ぎることを正直に書いています。それは普通のことで、失敗の印ではありません。ふるまいを品よく一貫させてください。漸進においては、あなたの人柄こそが積み上がるものです。
恋愛
関係が自然な段を踏んで育つに任せてください。知り合い、信頼、約束、共同の生活という順です。適切な時に形にすることが強さになります。ここでの忍耐は受け身ではなく、続く愛を実際に建てる方法です。
仕事
昇進は一段ずつ来るもので、近道はできません。中間の役目を引き受け、資格を取り、修業をきちんと務めてください。品位ある一貫したふるまいが評判を育て、小細工では開かない扉を開けます。
アドバイス
段を順序どおりに踏み、築いているものに根を張らせてください。
爻辞
初六、鴻干に漸む。小子厲うし、言有れども咎無し。——始まりは無防備で、批判は簡単に飛んできます。慎重に進め、初期の陰口に気を落とさないでください。そこに咎はありません。
六二、鴻磐に漸む。飲食衎衎たり、吉なり。——安全な岩場に着き、迎え入れられました。この幸運を独り占めせず分かち合ってください。そうすれば和やかさが続いていきます。
九三、鴻陸に漸む。夫征きて復らず、婦孕みて育たず、凶なり。寇を禦ぐに利ろし。——身を守るものの少ない場所へ進み出てはいけません。今は攻めるのではなく、押し寄せるものを防ぐことに力を使ってください。
六四、鴻木に漸む。或いは其の桷を得ん、咎無し。——木に止まる鳥のように、位置は不自然で心もとないのですが、しなやかに構えれば座れる平らな枝が見つかります。より良い地面が現れるまでの足場です。
九五、鴻陵に漸む。婦三歳孕まず、終に之に勝つ莫し、吉なり。——誤解が結びつきを遅らせますが、粘り強さと時間があらゆる障害に勝ちます。長い空白の後、妨げるものはなくなります。
上九、鴻陸に漸む。其の羽儀と為すべし、吉なり。——個人的な野心を越えたところまで昇ったので、あなたの生き方そのものが下にいる人たちの手本になります。羽が舞の飾りに使われるような働きです。