第 13 卦 · 天火同人
同人 · Tóng Rén
彖辞
人に同じくするに野に於てす、亨る。大川を渉るに利ろし、君子の貞に利ろし。——広い野で誰とでも心を合わせるなら通じます。開かれた協力があれば大河も渡れます。身内だけで固まらない公正さが条件です。
象辞
天と火とは同人なり。君子以て族を類し物を弁ず。——天の下で火が明るく燃える形が同人です。君子はこれに学び、似たものを分類し、違いをはっきり見分けたうえで人と交わります。
解説
同人は、人と心を合わせる卦です。ただし、その協力が閉じた身内のものか、開かれた公のものかで結果は大きく変わります。この卦が良しとするのは、広い野原で誰とでも手を組めるような公明さです。気の合う相手だけで固まると、外から見て不透明になり、やがて自分たちも息苦しくなります。今は、立場や背景の違う人と共通の目的を見つけることに力を注いでください。そのためには、違いを曖昧にしないことが大切です。何が同じで何が違うのかをはっきりさせたうえで、同じ部分で手を結ぶ。それが本当の協調です。途中で衝突や誤解が起きても、志が同じなら必ず再び出会えると、この卦は告げています。泣いた後に笑う、その順序を信じて、開かれた態度を保ち続けてください。
恋愛
価値観の一致が絆を作ります。共通の目的や関心を分かち合える相手と、良い縁が生まれます。閉じこもらず、周囲に開かれた関係のほうが長続きします。
仕事
協業、部門をまたぐ連携、外部との提携が実ります。身内の論理で固まらず、目的を公に共有してください。一時的な対立があっても、志が同じなら必ず合流できます。
アドバイス
気の合う人だけで固まらず、志を同じくする人に広く手を伸ばしてください。
爻辞
初九、人に同じくするに門に於てす、咎なし。——門を出たところで人と交わります。まだ利害の絡まない、開かれた出会いです。この段階の素直な交際に、咎めはありません。
六二、人に同じくするに宗に於てす、吝。——身内だけで固まっています。安心ではありますが視野が狭くなり、外からは閉じた集まりに見えます。輪を広げてください。
九三、戎を莽に伏せ、其の高陵に升る。三歳まで興らず。——草むらに兵を伏せ、高台から様子をうかがいます。疑いを抱えたままでは動けません。長い膠着を招くだけです。
九四、其の墉に乗るも、攻むること能わず。吉。——城壁に登りながら、攻撃を思いとどまります。踏みとどまった自制が吉を呼びます。争いを選ばない勇気が問われています。
九五、人に同じくして先には号咷し、後には笑う。大師克ちて相遇う。——初めは泣き叫び、後に笑い合います。深い誤解や別離を経ても、志を同じくする者は必ず再会します。
上九、人に同じくするに郊に於てす、悔なし。——町外れで静かに交わります。中心の熱狂からは遠いものの、志は失われていません。悔いの残らない距離の取り方です。