第 50 卦 · 火風鼎
鼎 · Dǐng
彖辞
鼎は元いに吉にして亨る。——生のものを煮て糧に変える器の卦です。大いに吉であり、道は通じます。育て、練り、人に供するための器がここにあります。何を入れ、誰のために火を焚くのかが問われています。
象辞
象に曰く、木の上に火有るは鼎なり。君子以て位を正しくし命を凝らす。——木をくべた火が鼎を温める姿です。君子はこれにならい、自分の位置を正し、担うべき使命を落ち着いて固めます。器が安定して初めて中身が育つのです。
解説
鼎は生の材料を糧へ変える器で、この卦はあなたをその器であると同時に料理する人の位置に置きます。ここでは何かが育てられています。才能かもしれませんし、一つの仕事の総体かもしれませんし、文化かもしれませんし、あなたが成長を助けている人かもしれません。条件はきわめて好ましく、この卦は易のなかでも指折りに明るい判断を持っています。求められるのは細部への配慮です。脚の折れた器は中身をすべてこぼしますから、健康も家計も基本の段取りも、満たす前に本当に確かかどうか確かめてください。古びたものは、初めに気まずい空け方をすることになっても出し切ります。助けは受け取り、うまくいく者に向けられる少しの妬みは織り込んでおきます。器は自分を養いません。
恋愛
関係を本当に育てられる、滋養の時期です。互いのために料理し、暮らす場所を美しくし、小さな洗練に気を配ってください。着実で実際的な世話を通じて示される愛情は、どんな大きな宣言よりも絆を深めます。
仕事
長く残る質のあるものを作るのに向いています。班の文化、仕事の体系、確かさへの評判。土台を正しく据え、時代遅れの慣行を捨て、惜しまず後進を育て、作り出すものの質に語らせてください。
アドバイス
土台を正しく据え、自分より大きな何かを養うために今の位置を使ってください。
爻辞
初六、鼎顛趾す。否を出だすに利ろし。妾を得て其の子を以てす、咎無し。——鼎をひっくり返して古い滓を出すように、体裁の悪い始まりでも、無用なものを出し切るなら受け入れてよいのです。空にしてから新しく満たします。
九二、鼎に実有り。我が仇疾有り、我に即く能わず、吉なり。——今のあなたには確かな中身があります。自分の仕事に専念してそれを健全に保てば、妬みはつけ入る隙を見つけられません。
九三、鼎の耳革まり、其の行き塞がる。雉の膏食らわれず。方に雨ふりて悔いを亏き、終に吉なり。——優れたものがしばらく気づかれず、持ち手が変わって運べません。やがて雨が降るように滞りは自然に解け、最後は吉となります。
九四、鼎足を折る。公の餗を覆す。其の形渥たり、凶なり。——力量を超えた責任、あるいは信頼できない人に任せた責任が、人前での失敗を招きます。自分の本当の容量を知ってください。
六五、鼎に黄耳金鉉あり、貞しきに利ろし。——近づきやすく、釣り合いが取れ、良い助言に開かれている状態です。慎ましく受け身であり続ければ、必要な支えのほうから自然に結びついてきます。
上九、鼎に玉鉉あり。大いに吉にして利ろしからざる無し。——最上の位置で、強さと柔らかさが結ばれています。あなたは全面的に頼られる存在であり、その影響力は堅くしてしかも穏やかです。